⑥ うわー地震だ!!(その2)
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昭和56年(1981年)6月から平成12年(2000年)6月に
建てられた木造住宅も危険
●すじかいなど耐力壁の量は、足りています。でも
耐力壁を構成ずる構造材の接合は弱いと、接合部は「はなれて」戻らず、
瞬間的に耐力(地震に対して踏ん張る力)が無くなります。
●阪神淡路大震災の時は
柱に最大で2.7トンもの「引き抜こうとする力」が生じたそうです。
何の対策も取られていない状態では、どうしようもありません。
●平成12年(2000年)6月の建築基準法改正では
接合部の金物補強以外にも、
耐力壁を「どうバランス良く配置するか」などについても規定されました。
阪神大震災の被災地では、健在な木造3階建ての隣に、
より新しい木造2階建てが倒壊している場面を見ました。
3階建ての方が地震には弱いはずなのに、です。
これは、平成12年より前に、木造3階建ての基準が見直され、
先行して接合部の金物補強について基準が設けられたからだと推測します。
他にも、真新しい住宅が倒壊している隣に、
損傷はしているけれど健在な古い住宅を見たり、
様々な予想外な情景に遭遇しました。
ですが、共通していると考えられるのは、
「必要な強さ」と「偏りのないバランスの良さ」です。
ただすじかいが多ければ良い、という単純な話では決して無いのです。
マメ知識「柱が抜けると倒壊する」のはなぜか
どれだけ踏ん張っても、横から強く押されれば片足が持ち上がります。柱もそれを同じで、地震で強く横向きの力が加われば、柱の根元に持ち上がろうとする力が働きます(すじかいなど耐力壁が強ければなおさら)。
柱は、一度抜けると元には戻れません。地震はありとあらゆる向きに揺れるためです。戻れない柱は、どこかに着地しなけばなりません。それは大抵、元に柱が嵌まっていた箇所よりも低い、周辺の地面であるケースが多く、結果、私達が階段を踏み外した時のように、柱から骨組が崩れてしまうのです。これは、ほんの一瞬で起きる出来事です。