④ 「すじかい(耐力壁)」の量、バランスともOK!
でも、「接合金物」がついていないので、
接合部の補強工事をしました。
木造住宅の「構造」の特徴
●「在来軸組構法」の場合、基本は「トラス構造」
柱・土台・桁・すじかいなどの部材(軸組)で、三角形を構成して、
構造的に強くする工法です。この三角形を「トラス」と言います。
●「トラス」?
幾何学的に見て、三角形は非常に安定した図形です。
三辺の長さが決まれば変形しません。
この特徴を活かしたのが「トラス構造」です。
●強い「トラス構造」の条件はふたつ
①三角形を形成する軸組が、伸びたり縮んだり曲がったり切れたりしない。
②軸組材の接合部分が、回っててもいいが、決して離れない(=ピン接合)。
少し知識のある方なら、
(あれ?構造用合板とか使った耐力壁は、すじかい入ってないよ?)等と
思うことでしょう。でも力の流れとしては、同じなんです。
お寺や神社、また古い民家などもすじかいは使われておらす、
その代わり太い柱・太い梁などで構成されています。
これは同じ木造でも「伝統的構法」と言って
「在来軸組構法」とは区別するようになっています。
「伝統的構法」は、在来軸組構法の「トラス構造」に対して、
「ラーメン構造」に近いものになります(下のマメ知識参照)。
マメ知識「トラス構造」と「ラーメン構造」
トラス構造を利用した木造在来軸組構法に対して、
三角形を構成せず、柱と梁だけで強い建物を作る方法として
「ラーメン構造」があります。
「ラーメン」といっても、これはドイツ語の「Rahmen(=額縁)」
が由来です。
これは、接合部を固い接合(=剛接合)としており、鉄筋コンクリート造や鉄骨造などで、ビルや大型の建物に主に採用されます。
他にも、壁(パネル)構造、シェル構造などの工法があります。